古賀先生、公園のベンチに寝そべり見た星空の美しさを語る
古賀「よう、富永君」
TAKE「いらっしゃい、雨すごかったやろう?」
古賀「なあに平気さ。昨日雨が降ってたら、大変な事になってただろうけどな」
TAKE「ん?昨日何があったん?」
古賀「実は、昨日の朝もまた、学校に行くフリをして家を出たんだ・・・」
TAKE「なに、2日連続で!?」
古賀「ああ、やっぱり母さんには、学校辞める事を言い辛くてね・・・昨日はあいにく富永君がいなかったから、朝から晩まで1人で時間を潰してたよ」
TAKE「どこに行ってたん?」
古賀「まず、近所の公園のベンチに横になって、空を眺めてたよ・・・2時間くらい」
TAKE「こじきかよ・・・」
古賀「そのあとマンガ図書館に行って、夜までずっとマンガを読んでたよ」
TAKE「ほう、それで?」
古賀「そして・・・朝と同じ公園のベンチに横になり、11時頃まで星を眺めてた」
TAKE「こじきかよ・・・」
古賀「こじきだけじゃないぜ。ネットカフェ難民と呼ばれる人達もそれと同じような生活をしてるんだから、別におかしくはないじゃん」
TAKE「おかしいよ!ネットカフェ難民の連中と同じだからって安心する気持ちが分からんよ」
古賀「そうかな・・・」
TAKE「っていうか、ネットカフェで寝ればよかったじゃないか」
古賀「だって、金がもったいないだろう」
TAKE「学校に行くフリをして無意味にブラブラしていた2日間という貴重な時間こそがもったいない事に早く気付けばいいやん」
古賀「いいんだよ、たまには公園のベンチで横になってみるのも」
TAKE「今日はちゃんと言ってきたん?」
古賀「学校には正式に退所届けを出してないよ。でも、母さんにはちゃんと言ったぜ」
TAKE「そっか。もう意味の無い事はするんじゃないぞ」
古賀「ああ・・・ほんと俺ってヤツは情けない男だぜ・・・」
TAKE「ハハハ、またか!」
古賀「俺はダメな人間だな・・・また今日も寝させてもらうぜ・・・」
TAKE「・・・いい加減、ふて寝をするのはやめればいいやん」
古賀「おやすみ・・・くそ・・・自分が情けないぜ・・・」
TAKE「ふん、古賀君の悩みなんてバカバカしいよ」
古賀「バ・・・バカバカしいって何だよ!」
TAKE「あのね・・・今までに何回も言ってるんだけど、全然聞いてないやろ?」
古賀「え・・・何て言われたっけ?」
TAKE「勉強をしないのに、勉強が出来るわけないって何回も言ってるやろ!」
古賀「ああ・・・」
TAKE「勉強をしてるのに勉強が出来ないといって落ち込んでるのならわかるよ!でも、しなきゃ出来ないのは当たり前なんだよ!それで落ち込むなんてバカみたいだよ!」
古賀「だって、勉強しようとすると頭が痛くなっちゃうんだよ!」
TAKE「じゃあどうしてパチンコの必勝法を研究してるんだよ!あれも勉強じゃないか!」
古賀「パチンコはただの趣味であって勉強じゃないぜ!」
TAKE「確率がどうのこうのとかいう、数学的な事を一生懸命本を読んで調べてるじゃないか!たくさんある台の名前や、それぞれの攻略法を必死に覚えてるじゃないか!」
古賀「まあ、そうだけどさ」
TAKE「もし俺が、“これを勉強しとき”って言いながらパチンコ雑誌を渡せば、古賀君は絶対に見向きもしないよ。確率とか頭痛ぇなと、こんなにたくさんの台とか覚えられるわけねぇじゃんと、必ず言うよ」
古賀「そうかなあ・・・」
TAKE「古賀君は“勉強”という言葉を恐れてるだけなんよ!パチンコを研究するのと同じように、楽しみながら少しずつやっていけばいいんよ!」
古賀「それができるんなら苦労はしてないぜ!」
TAKE「古賀君は勉強をする事ができるんよ!できないって自分で思い込んでるだけ!パソコンの勉強も製図の勉強も難しく考えなくていいんよ!パチンコの研究と同じようにやればいいだけなんよ!」
古賀「はぁ~・・・俺ってヤツは・・・情けない・・・」
TAKE「もう・・・ふて寝しても頭が良くなるわけじゃないんだよ」
古賀「はぁ~・・・このままじゃ俺、将来は橋の下で暮らす事になりそうだな・・・」
TAKE「あ~もう!橋の下で生活するような事にならないようにと、両親は古賀君を実家へ呼び戻したんだろう!」
古賀「でも、親にまで見捨てられちまったら・・・俺は一体どうすれば・・・」
TAKE「だーーーーーーっ!もうっ!こじきになったら俺の家に勝手に住みつけばいいやん!この俺が古賀君の事をこじきにはさせないから安心すればいいやん!」
古賀「と・・・富永君・・・ありがとう!富永君はまだ俺の事見捨ててないんだね!」
TAKE「腹立つなあ・・・誰も見捨ててないって言っとるだろう、バカ!」
古賀「悪いなあ本当・・・富永君、仕事中だったんでしょ?気にせず続きをやってよ」
TAKE「うん、あとでやるよ」
古賀「ところで、今日はどんな仕事をしてるの?ちょっと見せてよ」
TAKE「パンフレットを作ってるんだけどね。イラストレーターを使って作らなくちゃいけないんだけど、ソフトの使い方が難しくてね、本を見ながら少しずつ作ってるよ」
古賀「え、富永君ってイラストレーター使った事ないの?」
TAKE「うん、今日初めて使うね」
古賀「え・・・今日初めて使うのに、途中まで作業が終わってるの?」
TAKE「うん、本を見ながらやってるから」
古賀「ああああ・・・俺、また自信喪失しちゃったよ!」
TAKE「な、なんで!?」
古賀「初めて使うソフトを・・・どうして使えるの!?」
TAKE「だから、本を読みながらやってるからだと言ってるだろう。人の話を聞けよ」
古賀「俺には絶対無理だ・・・今日初めて触るソフトを使って仕事をするなんて!」
TAKE「古賀君は本を読まないからだろう!俺はさっきから頭を抱えながら必死に本を読んでるんだよ!」
古賀「ああ・・・また落ち込んでしまった・・・ふて寝させてもらう・・・」
TAKE「なんでだよ!落ち込む意味がサッパリ分からんよ!」
古賀「俺は7年前にイラストレーターを買ってから、いまだに使う事が出来ないというのに・・・それを富永君はたったの1日で・・・はぁ・・・情けない・・・」
TAKE「7年前にソフトを買ってから、1回でも勉強をした事がある?」
古賀「ない」
TAKE「じゃあ使えなくて当然じゃないか!」
古賀「ああ・・・俺ってヤツは・・・情けない・・・」
TAKE「古賀君っ!」
古賀「ああ・・・自信が無くなってゆく・・・」
TAKE「こらーーーっ!!起きろっーーー!!」
古賀「・・・わ、わかったよ・・・起きるよ」
TAKE「・・・親が死んだり、失恋したり、自分の力ではどうにもできん事態になった時に落ち込めばいいやん」
古賀「ああ・・・」
TAKE「親に、今すぐに就職しろ、できなかったら捨ててしまうぞって言われとるのか?」
古賀「いや・・・」
TAKE「じゃあどうして落ち込む必要がある?時間はいっぱいあるんやけ、耳掃除をした後、色々な勉強を落ち着いてゆっくりやればいいやん」
古賀「ああ・・・」
TAKE「さて、では俺はちょっと仕事をさせてもらうよ。すぐに終わるから待ってて」
古賀「ああ、わかった。その間、俺はゲームでもしてるよ」
TAKE「ああ、すまないな」
古賀「さてと・・・パチンコのゲームソフトを持ってきたんだ!」
TAKE「なに、わざわざソフトを持ってきたのか?」
古賀「ああ、メモリーカードも持ってきたぜ!」
TAKE「古賀君よ・・・本当に落ち込んでる人間は、わざわざ人の家にメモリーカードまで持ってきてゲームをプレイしようとは思わないぞ・・・」
古賀「え、そうかな?」
TAKE「うん、古賀君だけだよ」
古賀「しかし、このゲーム面白いんだよ!主人公は男と女のどちらかを選べるんだけどね!同級生の女の子の実家が工場を経営していて、その工場が借金のカタに取られちゃったというワケ!そして主人公はその女の子の為に工場を取り返そうと、パチンコでお金を稼ぐといったストーリーでね!いや~、よく出来た話だな~ってね!感心しちゃうよ、まったく!ゲームの中に入ってるパチンコの機種が少ないところが難点だけどね!様々な敵とのパチンコ対決はっ・・・」
TAKE「・・・古賀君、落ち込んでないだろう?」
古賀「いや、落ち込んでるよっ!」
TAKE「うそつけっ!」
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