じいさんは旧日本軍大将
皆さんこんばんは。
スーパーに行く途中、1人のおじいさんが歩いてました。
このじいさんも戦争に行ったのかな、なんて事を考えてるうちに
ふとある出来事を思い出しました。
小学1年生の頃、父と母と一緒に山口の海に釣りに行きました。
ちょっと休憩して、カセットコンロでお湯を沸かしコーヒーを入れているところに
散歩中のじいさんが近付いてきましてね。
「いやあ、便利なものがあるな」と、笑顔で話しかけてきて。
で、父がカセットコンロについて説明を始めたわけですよ。
「これは、カセット・フーと言うてですね」
「ほお、カセット・フーですか?」
「ええ、ええ、カセット・フーです」
いや、普通に「カセットコンロ」と言えばいいじゃないかと思いつつも
いつもの事なので特に気にすることなく、僕はお菓子を食べていました。
そうこうしてるうちに、じいさんと父はなにやら意気投合してですね
僕は詳しくは聞いてなかったのですが、話題はじいさんの家庭の話に。
父「大将のところには若い衆はおらんとですか?」
じいさん「ああ、みんな都会に出てしもうた」
それを聞いた僕はぶったまげましてね。
お父さん、今確かに「大将」って言ったよなと。
ちょうど当時、例えば横井さんのように、今でも戦争が終わったことを知らず
ジャングルの中に潜んでいる兵士がいるという話を聞いたばかりだったので
このじいさんも今までずっとどこかに潜んでいて、日本に戻ってきたばかりなんだと
だからカセットコンロも知らないのかと思って。
今目の前にいるじいさんは、旧日本軍の大将殿であると。
TAKE少年は勝手に思ってしまいました。
いやいや、とんでもない人物と遭遇してしまったものだと。
僕はものすごい緊張して、お菓子を食べるのをやめ、身動きひとつできなかったですよ。
山本五十六に会ったも同然ですからね。
と同時に、このじいさんが大将である事を知ってて
うろたえもせずフレンドリーに会話ができるうちの父さんってすげ~なって。
じいさんの前で普通にタバコ吸ってるし、じいさんにライターを貸して感謝されてるし
何がなんだかわかんないけど、うちの父さんって何者なんだと。
しばらくして、じいさんは去っていきました。
その時に「大将」って言葉の意味を知って少しガッカリしましたね。
母は「大将には見えんやろ」と言って笑ってましたが
いやいや、それはどうかわからんぞ。
僕はあのじいさんが本当に偉い人だったと信じていたい。
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