事故りつつありました
あぶねー、あぶねー
もう少しで車にひかれるとこだったですよ。
あぶねー、あぶねー
僕が横断歩道を渡ってたら
横から右折する車が向かってきましてね。
ゆっくりと進んできたものだから、当然僕の手前で止まってくれると思い
そのまま歩いていたんですけど、車は一向に止まる気配がないんですよね。
やばいやばいと思いつつ
僕は車の方を見て、必死に自分の存在をアピールしようと試みました。
「TAKEですよ」
「ここにTAKEがいますよ」
「あぶねーですよ」
しかし、ドライバーには僕の姿が見えなかったのでしょう。
そのままグングン僕の方へと向かってきます。
「たたたたたたた、TAKEですよっ!!!」
「TAKEがここにいますよっ!!!」
「TAKEにぶつかりつつありますよっ!!!」
僕は心の中でそう叫びました。
しかし、僕の必死のアピールにもドライバーは気付きません。
「たたたたたた、TAKEをひいちゃうおつもりでっ!!??」
僕がどんなに心の中で叫んでも
ドライバーにはまるで届く気配がありません。
―ダメだ
―もはやこれまでか
そう思った瞬間、僕は身体を「くの字」に曲げ、前方にジャンプしていました。
周りには他の通行人や車もいるので
できる事ならそんなアクションを取りたくなかった。
車を避けようと、身体をくの字にしながら前方にジャンプする男など
そうそうお目に掛かるものではないですから。
もしも外人に見られていて
「昨日、変なジャップが車を避けようとしてジャンプしてたヨ!」
「HAHAHAHA!」
のような会話をされてたら恥かしいですしね。
ともかく、その時ようやくドライバーは僕の存在に気付き
慌ててブレーキを踏んでいました。
「おっとTAKE、いたのか」みたいな。
そんなわけで、僕はなんとか危機を脱したというワケです。
夜に、真っ黒なベンチコートとジャージで出歩かないように
注意しろって事ですかね。
ではでは、これからちょっとタバコを買ってきます。
今度は危うくひかれそうにならないよう気をつけて行ってきますね。
ただいま。
ひかれそうになるどころか、人っ子一人いませんでした。
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